35mmで撮ってみる


子どもたちが風景や道端の花を見る感覚って、レンズの焦点距離で言うと35mmくらいかも、と思いズームレンズを使っていてもひたすら35mmで撮ってみる。遠くを飛ぶスズメは小さくて写らない。花は思い切り寄っても画面いっぱいにならず、いろんな背景が写り込む。でも自分といちばん身近につながっているのはそういう世界だ。
超望遠やマクロレンズは肉眼を超えた世界を切り取って、しかも美しい。大人は理屈でそういうものだと理解しても、子どもたちの感覚からはきっと離れている。
人物写真を35mmで撮ると親しさや近さが感じられ、300mmで撮ると写真は美しくても遠すぎて疎遠に写る。写真の「距離感」と呼ばれるこの感覚を理解しているつもりではいたけれど、大事なところを置き去りにしていたのだろうなぁ。
2018年3月28日