森のぬかるみに残るヒグマの足跡。
新しいとは思うが、1~2時間前なのか12時間前なのか見分けがつかない。
そもそも、泥があったから足跡が残っているだけで、クマも私も、森の急斜面の歩きやすいところを選び直感的に似たルートを歩いているはず。すごく近くにいることもあるだろうし、緊張の必要がないほどずっと遠くにいることもあるのだろう。
ヒグマの行動範囲を歩くとき、手をたたく音や「ホー」と甲高い声で何度もヒグマに私の位置を知らせて、突然にお互いがであって襲われないようにしてきた。
この頃は、襲われないように、というより「ヒグマを驚かせないように」という気持ちになってきた。驚かなければ、お互いにひっそりと森の中を闊歩できるのではないか。
2017年9月25日