「13歳からのアート思考」末永幸歩,ダイヤモンド社を読んだ。アートと呼ばれる絵画や彫刻が、自らの壁をとりはらいながら、表現を社会に問うてきた歴史が綴ってあった。すっと読みやすくて、表現とは何かを考える水の波紋が、頭のなかでポワポワ広がっていくような気持ちよさがあった。
写真の登場によって、絵画は写実的な表現を写真にまかせて、もっと絵画にしかできない表現を模索していった。結果、自らの壁を壊して新たな表現を獲得した。
では写真は?何によってその立場がゆさぶられ、自らを変え、壁を越えて行くのだろう。それとも強力なメディアゆえに、写真の枠のなかに居座るし、結局写真でしかないのだろうか。それはとてもつまらないし、最近写真に抱いている違和感そのものにも思えた。
2020年7月31日