絵本づくりで教えられたのは、まずお話があること。
写真をやっていると、上手く撮れた写真を見せたくなります。でもその背景にお話がなければ、きれいな写真だね、で終わってしまい、子どもたちの心になにも残しません。
多少へたくそな写真でも、物語に寄り添ったり想像を膨らませたりする「伝える力」を含んだものであれば、よい写真だと思うようになりました。
写真は強力なメディアではあるものの、伝えるためのひとつの手段にすぎないということも痛感しました。絵のように概念を抽出するのは得意ではないし、ひとつの場面にいろんな種類の昆虫や動物がいるなんてのもほぼ無理です。
でも写真の力を信じています。お話よりも、まず写真があることだってあるんじゃないか、とどこかで思っています。